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【PICK UP】万感記 (ロンドンとレコードとエトセトラ) vol.8

2017.03.08.Wed

the 9MILESを中心に今年新たに立ち上げたVANCAN MUSIC Inc.
今年の第一弾となる企画「万感の想いを込めてVol.12」を来週末の3月19日に渋谷HOMEで開催!!
そして、昨年7月からスタートしたRAS TARO(CLUB SKA)氏のコラムの第8回目が到着!
今年もVancan Music Inc.の動きに注目してください!

Ken BootheのCan’t You Seeと言えば、Mr.ロックステディ ーKen Bootheの代表曲であり、クラブでもトップチューンとして広く知られた曲であるが、68年のリリース当時は、ジャマイカ以外にUKでもFABから発売されたが、ヒットには程遠い、その他多数に埋もれてしまった曲だった。

80年代の終わりからビンテージジャマイカンミュージックが再評価されると、幾多の曲が発掘され、名曲として蘇った。Can’t You Seeはその中でも間違いなくトップクラスの曲だ。

僕が、この曲を初めて聴いたのは、88年に行われた川崎チッタ1周年のストリートイベントでだった。先輩のDJに誘われて僕もDJとして参加したのだが、その先輩が得意げにかけたのがこの曲だった。なんだこの曲は!? すぐさまターンテーブルを覗いたけれど、ブランク盤だった。Ken Boothe だろうとは思ったけれど、タイトルが分らなかったので、先輩に尋ねたが、大きなスピーカーの音で聞き取りにくく、イベントの高揚感もあったのか、タイトルはすぐに忘れてしまった。
とにかく印象的なイントロから始まるこの曲は、それまでのロックステディにはない、新しい感性がある。ジャズが、ラグタイム、スイング、バップ、現代ジャズへと進化したように、ジャマイカンミュージックもまた、メント、カリプソ、スカ、ロックステディ、レゲエと時代と共に常に進化する音楽である。68年は、ロックステディ後期であり、アーリーレゲエの一歩手前の時期だが、Can’t You Seeにはその先へ進もうとする意思が感じられる。リズムの中にも新しさ、つまりレゲエが息吹き、どちらでもない感覚がとてもスリリングで、音楽を前に突き動かす力がこの曲にはある。
オリジナル盤はLinksから出されが、このLinksというレーベルは、ジャマイカ初のアーティストが立ち上げたレーベルだ。だからなのか、今までにない新しいことをやろうとする気概があるのかもしれない。録音数こそ少ないが、Ken BootheのCan’t You See以外にもLinksに名曲が多いのはそのせいなのかもしれない。

次に僕が、このレコードに出会ったのは、ロンドンだった。89年にロンドンに行った時、前の年には無かったレコード店が、Honest Jonsの店内の一室にオープンしていた。今でこそHonest Jonsは、レゲエに限らず良質なルーツミュージックを再発するレーベルとして有名だが、当時は、ジャズを中心にルーツミュージック全般を扱うレコード店では、ロンドン随一として知られていた。

  • ダミー
  • ダミー

そのHonest Jons内にできたレコード店は、Reggae Revive、オーナーはBob Brooksという人だった。Bobは、もともと屋台からレコード店をスタートさせ、レコードフェアにもよく出店していた。当時ロンドンでは、月に数回はレコードフェアが開催されていたので、前年にロンドンに滞在した時に、レコードフェアでBobからよく購入していたので顔見知りであった。そのBobが、Honest Jons内に店をかまえたのだが、Reggae Reviveは、7インチ盤のデッドストックを中心に扱う今では考えられない店だった。
そこでやっとCan’t You Seeに出会えたのだ。僕が手に入れたのは、Mc入りの方だったけど、なんとデッドストック!!さすがBob。

the 9MILESも新譜で、Can’t You Seeをカバーしています。素晴らしいアレンジですので、是非聴いてみて下さい。

・the 9MILES / make me happy
Can’t You Seeのカバーも収録!!
詳細はこちら / http://shop.pls.tokyo/items/4440917
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【VANCAN Music Inc.イベント情報】
VANCAN MUSIC Inc.でもメール予約受付中!!/ vancanmusicinc@gmail.com
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2017.03.08.Wed

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