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【PICK UP】万感記(ロンドンとレコードとエトセトラ) vol.1

2016.07.29.Fri

the 9 MILESを中心に新たに立ち上げたVANCAN MUSIC。 8月にはthe 9 MILESの新作のレコーディング、10月にはレーベル立ち上げイベント、その後もリリースやイベントなど盛りだくさんの要注目レーベルです!レーベル立ち上げを記念して、長きに渡りCLUB SKAのDJやレコードコレクターとしてシーンで活躍するRAS TARO(CLUB SKA)氏のコラムがスタート!
毎月末アップの予定なので、是非チェックしてください!

1988年3月の終わりから、9月末までの半年間、僕はロンドンにいた。

その後、一旦帰国し、翌年89年の9月から90年の6月中旬までの10ヶ月ちょっと、再びロンドンに舞い戻っていた。都合、16ヶ月、1年と4ヶ月に渡りロンドンで生活していたのだ。80年代の終わり、つまり、昭和の終わりから平成にかけてロンドンにいたことになる。そのころの日本はバブル経済の真っ只中だったのだが、日本から遠く離れ、ロンドンのゆったりとした風にあたっていた僕には、パブで呑むビールの泡だけがバブルだった。

なんって、今回この文章を書くにあたり、パスポートやフライヤー、当時のものをひっくり返し改めて確認したからこそ時系列がはっきりしたのであり、30年以上前のこと、ここ20年近くは、90年代前後の体験とだけの記憶になっていた。だから1回目と2回目の滞在はかなりミックスされて記憶されていたのだが、年数を追うことによって時代の空気がすっと蘇り、何十年ぶりかに思い出したことが多々ある。あの店は、1回目にはなかったけど2回目にはあったよなとか、2回目の時には移転していたこととか等、思い出すことは皆無に等しかったことが以外と多かった。普段の僕は、思い出すことのほうが少ない。いくら若い時のこととはいえ忘れてしまったり思い出せないことのほうが多いのだ。

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だけどロンドンは違う。あの時の体験は、それだけ今の僕にとって大きな影響を与えている。ロンドンに行った目的や理由は兎も角、何故ロンドンだったのかと言えば、パンク、ニューウエーブをリアルタイムで過ごし、その後モッズ、スキンズに大きな影響を受けた僕にとってロンドンは音楽だけでなく、カルチャーそのものであり、憧れ以上の土地だった。海外に行くなら何よりもまずロンドンしか頭になかった。

そんなロンドンでの生活は、結果的にほぼ毎日レコード店巡りに明け暮れて過ぎてしまった。レコード好きが昂じてDJ紛いのことをしていた僕にしてみれば、できる限りレコード店巡りをしたいと思ってはいたけれどまさか生活の中心になるとは思ってもみなかった。

  • ダミー
  • ダミー

88年に話を戻すと、当時の東京には、中古のレゲエ専門のレコード店はおろか、新譜ですらレゲエ専門のレコード店はなかったと思う。ましてやオリジナルのスカやロックステディのレコードなんて全く流通していなかった。ロンドンに旅行に行った友達から見せてもらったドクターバード、スカビート、ブルービートが唯一日本で目にしたオリジナルのレコードだ。タワーレコードや輸入盤屋、ユニオン等で中古の再発を中心に買っていた僕には、オリジナルは、本当に海の向こう遥か彼方にあった。ネットでググるなんてこと無い時代、UK盤とジャマイカ盤の違いなんてあることすら知らず、僕はロンドンに旅立ったのだ。

【VANCAN MUSICイベント情報】
VANCAN presents
万感の想いを込めて Vol.110
@下北沢440
2016/10/30 (sun)
Open/ Start 12:00
Ticket ad/ ¥2,000 door /¥2,300 (ドリンク別)

【BAND】
TORU SHIGAKI (The Ska Flames)
the 9 MILES

【DJ】
Mighty Massa(The Ska Flames)
RAS TARO(CLUB SKA)
and more

【TICKET】
VANCAN RECORDS/ vancanmusic@gmail.com
イープラス
440店頭

【INFO】
下北沢440/ 03-3422-9440 (16:00~)

万感の想いを込めて vol.10 (表面)

2016.07.29.Fri

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