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【PICK UP】 HIGHLIFE★HEAVEN vol.9

2016.11.01.Tue

西アフリカ発のポピュラー・ミュージック、ハイライフを中心にアフリカン・ミュージックについてお伝えする本連載の9回目!

こんにちは!本連載第3回目から筆をとらせて頂いている三橋です。

レコード屋へ行って内容はわからないけどジャケットに魅力を感じてそのまま購入。所謂「ジャケ買い」をしたことありますか?僕はあります。しかも頻度高めで。と、かっこ良く言いながらも、よく行くレコード屋さんでは試聴させてもらいますが、初めて行くレコード屋さんでは沢山試聴するのが申し訳ない、というか怖くて言い出せないという情けない理由でジャケ買いをします。そうです、「僕はあります。」などと豪語しましたがただのメンタルの弱さによるものです。ああ、恥ずかしい。
しかし、そのメンタルの弱さのおかげ(?)でジャケットから音を想像したり「これは自分の好みの感じかも。」と感覚を研ぐ練習をしている気もして、それはそれで楽しかったりします。

ここ数年ハイライフもそうですがアフリカのレコードのリイシューが多くてファンには嬉しい状況です。リイシューにはオリジナル盤にはない解説が付いていたりして、「あの解説読んだ?」や「今回のリイシューには本みたいな解説が付くらしいよ!」などとリイシューがファンの間の楽しみと1つとしてあるように思えます。

しかし、まだまだリイシューが一度もされていない盤が数多くあり、そういったものを聴くにはオリジナル盤を買う以外方法が無いのも事実です。ですが、中には新品CDと変わらない値段で入手できるものもあり、ある意味で手軽に買えたりします。
僕自身も高額盤ではなく、比較的買い易い値段のオリジナル盤で音楽を探したりします。

そこで思うことは、音はもちろんですが「やっぱりオリジナル盤のジャケットってかっこいい!」ということです。そして、それだけではなくジャケットからわかってくることも少なからずあるので、今回はその面白さをお伝えできれば幸いです。

まずは僕が1番驚いたジャケットがこちら。

1

このジャケットの最も注目するところは後ろに並べられたアンプです。
今ではサックスなど管楽器のメーカーとして有名な英国Selmer製のもので60~70年代ではアンプも作られていました。

外見はVoxに似た英国の気品溢れる作りで、中身は60年代のMarshallと変わらないという英国製アンプの良いところをミックスさせたようなものです。日本では認知度が低いですが、外見とオリジナルMarshallの音を相場の約半額で購入できるということで近年一部で注目を集めています。機種にもよりますが、良いものだと1台約60万円ほどで取引されています。

ザ・フーのピート・タウンゼント、ポール・マッカトニーやジョニー・マーなど英国のロック系ミュージシャンも使用しており、そんな素晴らしいアンプがずらりと並べられたこれは一体なんなんだ・・・と驚きました。植民地ということが絡んでいると思われますが、何故Selmerがアフリカの地へ渡ったのか正確な部分はまだ未解決です。

兎にも角にも、アンプに関しては英国の一流ミュージシャンと同じ機材を使用し演奏を行っていたという事実が少なからずあったということがわかるジャケットです。

同じ機材系のジャケットで言えばこちらも面白いです。

2

ガーナを代表するバンドであり、もの凄いリリース量を誇るアフリカン・ブラザーズ・バンドのアルバム”Odo Nti”のジャケット。

ギタリスト、ナナ・ アンパドゥさんがちょこんと座ったキュートさがたまらないですが、注目は持っているギター。これがなんと日本のメーカー”Ibaneze”製のもの!Ibanezeは国内はもちろんですが海外向けの生産も行っており、ジャケットに写っているギターはネックに入ったインレイやヘッドの刻印、ペグなどからその上位機種だと思われます。

今ではメタル系のミュージシャンが使用することが多く、ネックの幅が広めで厚さが薄い傾向があるのでテクニカルな演奏を好むミュージシャンに人気なのかと思います。

ナナ・ アンパドゥさんも「このギターめっちゃ弾きやすいやんけ!!!!」とびっくりしたのかもしれませんね。「日本のギターを使ってる!」とギター好きとしてたまらなく嬉しくなるジャケットであると同時に何故このギターを持ったのはその経緯も気になるジャケットです。

ということでギター系でこちら。

  • ダミー
  • ダミー

アフリカに限らずジャマイカでも似た現象が起きてるらしいのですが、使用ギターの”SG”率が高いという説です。果たしての真相はいかに・・・ですが確かに上に挙げた名盤2枚の他にもSGを持ってジャケットに写っているものは多い気がします。

SGの歴史を遡ると、1961年にリリースされた当初Gibsonは名機”Les paul”に取って変わる機種として打ち出したにも関わらずSG独特ボディ・シェイプがあってか火が付くような人気は出なかったようです。「初めて見た時はまるで悪魔のギターようだった。」と、リリース時の感想を述べている記事を読んだことがありますが、時代を考えればなかなか手が出し難い機種ということだったのでしょうか。

あくまで推測の域を出ないですが、そういった理由から輸出されるということも考えられるような気もして、様々な想像をかき立てられます。

簡単になりましたが、ジャケットからわかってくること・想像させることを書いてみました。

アフリカのレコードは音楽の素晴らしさはもちろんですが、時間が経っていることで良い感じに色味が柔らかくなっていたりするヴィンテージ感や、デザイン的にもかっこいいジャケットが本当に多いのが魅力の1つでもあると思います。
是非、「これは!」と思うジャケットを見つけたら思い切ってジャケ買いするのも一興かと思います。

2016.11.01.Tue

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