Music, Pick Up, World News

【PICK UP】 HIGHLIFE★HEAVEN vol.19

2017.04.02.Sun

西アフリカ発のポピュラー・ミュージック、ハイライフを中心にアフリカン・ミュージックについてお伝えする本連載の19回目!

皆様こんにちは。第3回目から筆を取らせて頂いている三橋です。

突然ですが、「ああ、帰ってきたなぁ」と感じることってありませんか。

長い外出から自宅や地元へ帰ってきたときに感じたり、久しぶりに食べる母ちゃんのご飯の味を噛み締めたときや長い間会っていなかった友達と昔と変わらない話をしたときに感じる「アレ」です。

「懐かしい」とも違うし、変わらないことへの「安心感」ともちょっと違います。時間が経つことでいつのまにか忘れてしまっていた「感じ」や「感情」を思い出しているのでしょうか。でも「思い出す」ともなんだか違う気もしてしまいますね、「アレ」は。

1970年に、セネガルはダカールという首都でバオバブ・クラブというクラブがオープンしたそうです。
バオバブ・クラブの前にもマイアミ・クラブというクラブがあり、そこでは1960年のセネガル独立を記念して結成されたバンド、スター・バンドが演奏していたそうです。スター・バンドには「アフリカにおいて生存する最も著名な音楽家であろう」とも称されるボーカリスト、ユッスー・ンドゥールが在籍。

絶妙な”間”を感じるリズムとワウワウ掛かったギターの縦揺れ、民謡に根付いたかのようなメロディがたまらなく心地いい、とろけるような1曲。

そしてこのスター・バンドに憧れて結成されたのがバオバブ・クラブで演奏をするオーケストラ・バオバブ。

よりラテン的なリズムが強くなりダンスフルに、よりアンサンブルに、シャープさが増したと言うのか全体が引き締まった印象が聴き比べるとわかります。

オーケストラ・バオバブは1987年に一度解散するも、再評価をきっかけに2001年にはリユニオンを果たし、そしてなんと今年10年ぶり新作(!!)をリリース!

70年代から地続きの、もっと言えば彼らが憧れた60年代のスター・バンドから続くサウンドが2017年に鳴るのはどえらいことなのではないでしょうか。いやはや、スゴい。

もしかすると、「ああ、帰ってきたなぁ」と感じる「アレ」は、個人史であったりある歴史の一部に触れたときに起こる特別な感情の一つなのかもしれません。結局その正体は何なのかは良くわかりませんが、大切にしていたいものですね。

2017.04.02.Sun

New Release

ページトップへ